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革、電子工作、その他作った物の記録

Fablab関内ニキシー管時計キットの開発

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Fablab関内のワークショップ向けに、IN-12を使ったニキシー管時計キットを作った。

  • できるだけ秋月で手に入る部品を使う
  • 表面実装は使わず、リード部品に統一する。トリッキーな実装はしない
  • 機能をモジュール化して拡張性を持たせる

といったことを念頭において設計してみて、おおよそその通りに仕上がったんじゃないかな。

回路

f:id:minori24:20180422001429p:plain マイコンはATMEGA328P-PU。Arduino Unoの回路をほぼそのまま流用して、Arduinoの開発環境が使えるようにした。Arduinoのソフトウェア資産をそのまま利用できるから開発もかなり楽だし、電子工作の取っ掛かりにArduinoを触った経験がある人も多いので改造へのハードルが低い。

回路はオーソドックスな構成で、フォトカプラでAnodeの制御、K155ID1でBCDデコードをしている。 1枚の基板あたり2桁のニキシー管を1つのマイコンで制御するのだけど、時計として4桁、6桁、8桁…と桁を増やしたい場合は基板同士を横に接続することで拡張できる。

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基板同士はI2Cで接続しているので、どれかの基板をMaster、それ以外をSlaveにする。Masterが各桁の数値を決定してI2C経由で送り、Slaveはそれを受け取って表示するだけ。今回の時計キットは「時」の基板がMaster、「分」の基板がSlave。さらにI2C接続のRTCモジュールを使っているので、I2C BusにはRTCもぶら下がっている。

コード

基本的には2本のニキシー管のダイナミック点灯。桁を切り替える瞬間に数msのブランキングを入れてゴーストをなくしている。そのほかRTCから時刻の取得、Slaveに「分」桁の送信、LED制御、時間設定用にボタン2個の割り込み処理を行っている。

筐体

Fablab会員の方がアクリルのレーザーカットで制作してくれた。フロントパネルが木板、アクリル、ミラーなどいろいろ選べてカスタムもできてかなりいい感じ。

雑感

電子工作初心者でも組み立てられるように開発したのだけど、ハンダ付け、箱の組み立て諸々でかなりボリュームのあるキットになった。Fablab関内ではこのキットを丸一日かけて組み立てるワークショップを開いている。ほとんどハンダ付けしたことのない参加者でも今のところ全員完成しているのでキットとしては成功かな?

今回はArduino Unoをほぼそのまま移植したけど、正直なところAVR含むArduino関連の部品を秋月で揃えるよりArduino Nanoのコピー品を買ってきて載せたほうが安いしデバッグしやすいし、なにより組み立てやすい。今後の切り替えも要検討。あと、やっぱり人気があるのはIN-14のような縦型ニキシー管。某ダイバージェンスメーターのような時計も作れるといいかな。IN-14高いけど。